おんぱく写真部レポート
岐阜を代表する工芸品「岐阜提灯」。その伝統の世界にモダンデザインを融合させたのが彫刻家イサムノグチです。
オゼキさんが販売するAKARIシリーズは先述のイサムノグチによるデザインです。アメリカに生まれた彫刻家がつくるそれは、提灯という概念をこえた光の彫刻です。ノグチ氏と過ごした5日間のエピソードが萩野さんからつぎつぎと語られました。この滞在中に4点ものAKARIのデッサンを仕上げたそうです。
2階へ進むとたくさんの光に包まれました。モダンなコンクリートの内装によく合うAKARIの数々。
そして3階へ。ここでは職人の方の仕事を見学させていただけました。こちらは貼りの様子です。
こちらは伊勢型紙での絵付けの様子。1色で一枚の型紙を使い、何枚もの型紙から1つの絵が作られます。色の数だけ型紙があり、それを重ねるのです。花びらなどのグラデーションは職人さんの刷毛の動かし方で決まります。それを均一に行うのです。
オゼキAKARI倉庫を出て向かうのは岐阜町界隈。バスで移動する予定でしたが、参加者のみなさんの希望もあり歩いて移動しました。提灯に欠かせない材料や部品を扱っていた会社やノグチ氏がイメージを膨らませた場所を教えてもらい、当時を思いながらのまち歩きです。
川原町までやってきました。この町は紙や紙製品の商いをしていた家が多くあります。また、電線の地中化など景観を守る活動も盛んです。ご紹介が遅れましたが、このプログラムの案内人は川原町まちづくり会の富樫幸一さんです。右手を上げて解説をしてくださっています。岐阜のまちあるきといえばこの方ですね。
ノグチ氏が岐阜滞在中に泊まっていた場所が十八楼さんの向かいあたり。長良川のほとりで、存分に岐阜を感じながら作られたのが、AKARIだったのですね。
川原町屋さんの2階でティータイム。美味しいお茶をいただきながら感想を話したりして交流しました。
最後は長良川デパートへ。こちらではAKARIシリーズの販売も行っています。日も暮れかかり、半日のまちあるきも終了です。岐阜の工芸に新たな風を起こしたイサムノグチ。それをサポートした萩野さん。今もその魅力を伝えているオゼキさん。これからも伝えていきたい岐阜の魅力を、またひとつ再発見できました。(018 くま)